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 ロータリアンは、地域社会へ貢献することの重要性を認識しています。地域社会奉仕は、地域の現実的な、差し迫った問題や必要性に対応するものでなければなりません。ロータリークラブ(RC)は、地域の当面の緊急課題を特定する調査から出発しなければならないのです。いったんこれが見極められれば、これらの問題に対する効果的な対応策が明確に打ち出せるはずです。
――上記は、国際ロータリー(RI)『活動する地域社会;効果的なプロジェクトのための指針』から概略引用しました。ロータリーが、地域社会へアクションを仕掛けるプログラムとしては、「プロバスクラブ」と「ロータリー地域社会共同隊」があります。

 
プロバスクラブ(Probus Club)
 「プロバス(Probus)」というのは造語です。専門職(Professional)のProと、実業(Business)のBusを取ってつくられた言葉です。プロバスクラブは、RIの公式プログラムではありませんが、RI理事会が地域社会の高齢者に対する活動として、推奨をしている組織です。RCがスポンサーとなって設立されます。ロータリーの分類でいえば、社会奉仕活動の一翼を担うものです。
 プロバスクラブの目的は、リタイアしたけれども、活動する能力のある人々が、少なくとも月1回以上会合を行い、ゲストスピーカーや会員の卓話を聞いたり、同じような環境や興味を持つ会員との交流・親交により、共感や価値ある活動の機会を提供し、意義ある生活を、推進することにあります。

プロバスクラブの歴史
 1920年代のはじめ、カナダ・サスカチワンとアメリカ・コネティカット州ニューヘブンに、プロバスクラブの原型となるような集まりが、組織されました。
 その後1965年、イギリス・ウェルウィンガーデンシティRCが、退任した専門職業家および実業家による会合を考えクラブを組織、月1度の例会をもち、集いの場が“The Campus”と呼ばれる町の中心に面していたことから「キャンパス・クラブ」と名づけました。翌1966年、やはり同国のキャスターハムRCが同様のクラブを組織し、このときに「プロバス(Probus)」と呼称、命名しました。まもなく2つのクラブは統合、今度はブロムスグローブクラブのもとで発展しました。
 今日では世界の多くの国、特にオーストラリア・ニュージーランドで、プロバスクラブは盛んに活動しています。現在、世界では約4,000クラブ、30万人以上の会員がいると推定されますが、そのうちの1,770クラブ、14万人がオーストラリアに、450クラブ、5万人がニュージーランドに集中していて、両国共通でプロバスクラブのための会報誌“Probus News”(年4回・6万部)も発行されています。日本では1988年、第2680地区(兵庫県)上郡RC提唱で、上郡プロバスクラブができたのが最初です。第2680地区と第2730地区(宮崎県・鹿児島県)に多くのクラブがあります。

退職後の人生を充実させる会員たち
 プロバスの会員は、元ロータリアンに限定されません。その資格は、年齢が60歳以上であること、専門職と実業に携わってきた、社会の各方面で活躍してきた人たちであること、そしてリタイアまたはセミ・リタイアした男女であるという条件を、満たしていればいいのです。
 組織されると、設立の手伝い役のロータリーが、表に出ることはありません。プロバスクラブは、相互の親睦を図りながらも、定期的な会合を行い、自主・自律の独立したクラブとして動いていきます。
 クラブの具体的な活動としては、趣味で交流したり、引退者が活動的であり続けるように、講演・討論会を催したり、見学会を行ったり、さまざまな地域社会への活動を行います。詳細は、プロバスクラブのホームページ、http://www.probus.org/をご覧ください。
 
ロータリー地域社会共同隊(Rotary Community Corps)
 ロータリー地域社会共同隊とは、ロータリアン以外から成る、RC提唱による自助組織です。ロータリアンではなくとも、ロータリーの精神にのっとり、自分たちの地元地域を発展させるために活動し、その活動のプロセスで、貴重なグループ活動の技術を習得します。
 現在では、世界中に何百もの共同隊があります。

名称の変遷が示す幅広い活動
 「ロータリー地域社会共同隊?」と首をかしげる方もいらっしゃるでしょう。ロータリー地域社会共同隊(Rotary Community Corps=略称RCC)の原型は、「ロータリー村落共同隊(Rotary Village Corps=略称RVC)」です。1986-87年度、マット・カパラスRI会長のとき、発展途上国の村落が抱える諸問題を救済することから、生まれました。
 「村落」は本来、地球村(Global Village)を意味したのですが、文字通り「村」として狭く解釈され、活動も「村」の範囲で行うもの、と受け止められる傾向にありました。もっともRIでは名称を「村落共同隊」にこだわらず、実情にあった言葉を使用してよい、ともしていましたので、「ロータリー地域共同隊(Rotary Community Corps=RCC)」名称のものも、増えていきました。加えて、先進国都市部における行政のゆがみから生じる、日の当たらない部分の問題に、ロータリーの奉仕の手を差し伸べるという活動にも、取り組んでいきました。こうした実態を鑑み、1996年6月のRI理事会は、RVCという名称が適切でない場合は「ロータリー社会奉仕共同隊(RCSC=Rotary Community Service Corps)」という名前(一般名称のRCCにS=Serviceを追加、邦訳も変更)も使用してよい、としました。
 そして1998年10月の理事会で、RVCは、「Rotary Community Corps(ロータリー地域奉仕共同隊)」という名に改称されました。
 その後、邦訳が「ロータリー地域社会共同体」に変わり、RCCは環境問題に取り組んだり、地域の留学生を支援したり、地域文化について講演会を行ったり、幅広い活動を繰り広げています。

その目的とつくりかた
 RCCは、4つの主な目標を共有しています。
・個人が各自の村、隣村、あるいは他の地域社会の改善を図ることに責任をもって活動するよう、奨励する。
・あらゆる有用な業務の尊厳の真価を認識する。
・生活の質の向上を図るため自主自助の活動と協同活動を実施する。
・地元の文化や地域社会の状況下において、人間の能力を最大限に発揮するよう奨励する(ロータリー章典41.030.2)。

 結成にあたっては、少なくとも10人の成人によって構成されるものとされ、RCCの所在する村または地域社会に居住、就職、勉学中の男女なら、誰でもなれます。RCによる結成のあと、ガバナーが確認し、RIの認証を受けて設立されます。そして、RCC名の後には、提唱したRC名をつけて「(名称)ロータリー・クラブ提唱」と記すものとされます。RCCについての詳細は、『手続要覧2007年』86~87ページをご覧ください。

 “Quality of Life”――日本語では、「生活の質」とか「生命の質」と訳され、QOLと略語で表現されることもありますが、これを高めることは、幾つになっても大切なことです。高齢化社会が進む現代は、高齢者や社会の第一線・現役からは退いたけれども、まだまだ活力にあふれた人たちが増えています。こういう人たちが、日々の“Quality of Life”を高めることに、少しでも役に立てるように、プロバスクラブやRCCという機会を地域社会に提供してみませんか。ロータリーの可能性は、限りなく広いのです。

『ロータリーの友』 2004年9月号掲載
参考・引用 『手続要覧2004年』RI「活動する地域社会;効果的なプロジェクトのための指針」「国際ロータリー理事会決定事項抄録」など。その後の変更を訂正。
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