PETS(Presidents-Elect Training Seminar)
Presidents-Elect Training Seminar(会長エレクト研修セミナー)の省略形が「PETS」。「ペッツ」と呼ばれていますが、文字通り、地区内各クラブの会長エレクト(次年度7月1日からクラブ会長になる人)のための、研修・教育を行う情報提供プログラムです。
クラブ会長の能力、知識、やる気を育成することが目的となっています。その「目的」を、具体的に『会長エレクト研修セミナー(PETS)指導者用ガイド』P1「計画と準備」から引用しますと、
・次期クラブ会長が次年度の会長となるための準備を整える。
・地区ガバナー・エレクトおよび次期ガバナー補佐に、次期クラブ会長の意欲を高め、協力関係を築く機会を与える。
ということになります。
PETSの開催時期は、毎年3月中に、原則として1日半の日程で行われることになっていましたが、2010年の規定審議会で、なるべく2月または3月中に開催することとなりました。セミナーの主催者は、国際協議会で先に研修を済ませてきたガバナーエレクト(次年度ガバナー)です。
ガバナーエレクトは、現ガバナーやガバナー補佐とも協力し、地区研修リーダーに指示してPETSを監督します。地区研修リーダーは実際にセミナーを計画し、その実施に責任をもちます。セミナーの指導チームは「資格の備わったパストガバナー」と、地区委員会委員長で構成されますので、経験豊かな地区の人たちに、一度に身近に接することができる良い機会ともなります。
研修では、来る年度のRI(国際ロータリー)テーマや、効果的な奉仕プロジェクト、ロータリー財団についての説明や紹介、情報伝達が行われます。ガバナーエレクトが、国際協議会でRI会長から直接聞いた、新年度のRIテーマに対する思いやその印象、次年度のRI会長の方針など、研修後間もない、ガバナーエレクトの新鮮な話や方針を直接聞ける、絶好の機会です。
また、クラブ会長の役割と責任の検討、目標の設定、クラブ役員の選定と準備、クラブの運営、新会員の勧誘と説明指導、RIと地区の有用資源なども取り上げられます。
セミナーの具体的な構成メニューを、『手続要覧2007年』P50から引用すれば、
・RIテーマ
・役割と責務
・目標の設定
・クラブ指導者の選任と準備
・クラブの管理運営
・会員増強
・奉仕プロジェクト
・ロータリー財団
・広報
・支援源
・年次計画と長期計画(ロータリー章典23.020.3.)
となります。
こうして、クラブ会長エレクトは、次年度のRIテーマを踏まえ、ロータリープログラムを実施する準備が整うのです。また、このPETSにより、クラブ会長エレクトは、新たなるロータリー年度におけるクラブと、地区の活動を企画し、指導者を喚起し、地区運営についての情報を、クラブに帰って仲間に提供できるのです。
なお、世界では、2つ以上の近隣地区が「多地区合同PETS」を実施する場合もあります。多地区合同PETS主催グループは、必然的に多数の協力者が得られるので、バラエティーに富んだ講演者を迎えることができますし、次期クラブ会長に地区を超えた視点を提供し、効果的なクラブ指導のための、多岐にわたる方策を発案できる、という利点もあります。
地区協議会(District Assembly)
毎年1回、地区内すべてのクラブの次期会長、幹事、理事、主要委員会の委員長など、重要な次期クラブ指導者たちが集まる知識・情報交換の場です。通常は、各クラブから10人前後の代表者が、この訓練コースに招請されます。
地区協議会は従来、4月あるいは5月中に丸1日、開催するよう要請されていましたが、2010年の規定審議会で、なるべく3月、4月、5月中に行うこととなりました。協議会プログラム全般の責任は、ガバナーエレクトが負うとされていますが、計画と実施については、地区研修リーダーが責任を負うとされています。一方、各地区委員会委員長は、担当する研修セッションでの立ち上がりを指導する責任を、もっています。
協議会の主目的は、3点にまとめられます。①会員基を維持・増強、②地元や外国の地域社会で、その地域の実情に即したプロジェクトを実行し成功できるように、③プログラムへの参加と寄付金を通じ、ロータリー財団を支援すること、この3点について、ロータリークラブの指導者たちに、必要とされる能力を育成し、知識をもち、やる気を起こすように図ることです。
会の形式は、教育方法と分科会をフル活用し、次期クラブ役員が、ロータリーの奉仕のプログラムを推進する任務を把握できるようになっています。クラブ役員は、効果的なクラブ運営について学び、次年度の奉仕目標の達成について意見交換します。クラブ会長エレクトのために行われる研修セッションには、パストガバナー、ガバナー補佐などを適宜招くべきとされています。
大切なことは、PETSも地区協議会も、次年度クラブ会長になる人の参加が、義務づけられていることです。もし、出席しなければ、その人はクラブ会長に就任することができません。このシステムは、ちょうど、ガバナーエレクトが国際協議会に出席しないと、次年度ガバナーにはなれない、というのと同じであることに、セミナーの重要性が表れています。
ロータリーでは、会長以下各担当者が、RI、地区、クラブにおいて、基本的に毎年替わります。人は毎年替わっても、ロータリーの基本的な考え方は変わるものではありません。また、活動の中には単年度ではなく、何年もかけて完成するものもあります。しかし、いずれの活動も人から人への手渡しで、バトンタッチされていくものです。
新しい年度にクラブを指導する人々が、ロータリーの基本、ならびに新年度のRI会長やガバナーの方針をよく理解し、それを各クラブにもち帰って、クラブの仲間たちに伝え、共有する。さらに、各クラブの事情も考えながら活動に結びつけていく。出席者は大切なその橋渡し役です。
PETSや地区協議会は、単なる研修会ではありませ ん。ロータリーの奉仕のプロジェクトについて、新しい考えを入れながら、永遠に続く継続性をもたせるために行われる、大切な会合なのです。